値上げは付加価値アップの動機付け!

■より良いものを創り出して単価アップを狙う経営を目指す!


『値上げ』はこのような環境下でも粛々と実施されています。


「ブルボン/「アルフォート」など大袋商品を減量
(2020年5月25日)

ブルボンは5月26日出荷分より、「アルフォート」などファミリーサイズの
大袋商品の一部を規格変更する。諸原料の価格高騰が続いており、同社の
使用する原材料および運送費などについても値上がりが継続している。
生産設備の改善・更新による生産性の向上や経費の効率的な使用などにより、
商品の内容量、価格の維持に努めてきたが、自助努力のみではコストを吸収
することが困難であると判断し、コスト上昇の影響が大きい一部商品の内容量を
減少させる。内容量変更の平均改定率は一般ルート商品約4.4%、コンビニエンス
ストアルート約3.4%とした。(後略)」(出所:流通ニュース)


「はなまるうどん/「かけうどん」値上げ、小は150円から
 220円に」(2020年5月19日)

はなまるは5月19日、「かけ(温)」を値上げすると発表した。
小は税別150円から220円、中250円から320円、大350円から420円とする。
これまで、おいしい讃岐うどんを日常食として気軽に食べてほしいという思い
により、「かけ」(小)を150円(税抜)で提供。しかし、昨今のマーケットや
飲食業界を取り巻く環境の急激な変化で、企業努力のみでは現行価格で提供を
維持することが困難なため、価格を改定する。(後略)」(出所:流通ニュース)


価格転嫁してください。

◎原価が上昇すれば販売価格に転嫁する、これが常道です。
(×)価格に転嫁できるかどうかで悩む。
(○)どうすれば転嫁できるかで悩む。

後者で悩んでください。

原価・仕入れ価格が上昇しても売価に転嫁できない、と結論付ける経営者は
少なくありません。これは安易すぎます。思考放棄です。

価格に転嫁しても、売上(利益)を落とさない方法を探す、こう考えるべきでは
ないでしょうか。原価・仕入れ価格の上昇を売価に転嫁しながらも、売上(利益)
を落とさない方法を考える、このためには相応の努力が必要です。
A案、B案、C案、それらの組合せなど、創意工夫と知恵が必要です。


”価格転嫁する” この選択をすることで、付加価値アップの必然性が生まれます。

◎物流費などのコスト上昇局面において、価格転嫁を前提に創意工夫を
 重ねていく会社と、価格転嫁できないことを前提に創意工夫を怠る会社に
 分かれてしまうのでしょう。
 
 価格への転嫁は付加価値アップの試練を与えます。
 商品やサービスへの創意工夫が求められます。

◎価格の据え置きは、付加価値アップの意欲を奪います。
 コストに対する過度の忍耐から、知恵の創造・付加価値アップは生まれません。

◎5年後・10年後、前者と後者には大きな差が生まれます。


過去におけるこの考え方の差が、現時点の企業の優劣に表れています。

価格の上昇に消極的な判断を続けてきた会社は、付加価値アップへの挑戦を
怠り、結果、価格を上げると売れない実態を余儀なくされています。
一方、価格の上昇に積極的に取り組んできた会社は、それに見合う付加価値
アップへの挑戦を繰り返してきました。
結果、価格を上げても売上を落とさない企業力を構築できています。


自社の過去を振り返り、今後の価格戦略を構築してください。

1.原価や仕入れ価格の上昇分は、確実に価格転嫁してください。

2.価格転嫁するために、様々な創意工夫を行ってください。
  この創意工夫こそが経営そのものです。

3.価格を上げることに積極的な経営を行ってください。


価格転嫁を行わない消極的な経営ではなく、より良いものを創り出して
単価アップを狙う経営を目指していただきたいと思っています。
後者の方が上手くいくことを、少なくとも歴史と統計は証明しています。
この機会に、自社の価格政策についてもご再考いただければ幸いです。

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