■ 新たに資本性資金供給支援が盛り込まれました。
新型コロナウイルス感染拡大を受け、先日2020年度第2次補正予算案が
閣議決定されました。資金繰り対策のひとつとして、新たに資本性資金供給・
資本増強支援が盛り込まれています。
現在、日本政策金融公庫や保証付き融資等により、相当数の融資が実施
されていますが、借入が膨らみ過ぎた結果、財務内容が悪化し、今後の
資金調達が困難になる企業が増えることが予想されます。
この様な事態に対処するため、金融機関が資本とみなすことができる
長期一括償還の資本性劣後ローンを、日本政策金融公庫や商工中金を通じて
中小企業に提供する施策です。
資本性劣後ローンとは、実際には借入ですが、融資審査上、金融機関は借入
ではなく資本とみなすことができます。
例えば債務超過に陥っている企業でも、債務超過額を上回る資本性劣後ローンを
受けることができれば、民間金融機関は債務超過でないものとして融資を
検討できるようになります。
具体的な貸付条件は下記となります。
・貸付限度額:7億2000万円(別枠)
・貸付期間:5年1カ月、10年、20年(期限一括償還)
・貸付金利:当初3年間一律0.5%、
4年目以降、直近決算の業績が赤字の場合は0.5%、
黒字の場合は2.6%または2.95%
資本性劣後ローン自体は、数年前から既に日本政策金融公庫等で
取り扱われています。しかし、現在の資本性劣後ローンは敷居が高く、
利用出来ている企業はまだまだ少数です。
今回のものは、コロナ対策を目的とした別枠の融資であるため、
従来とは違う、実際に利用しやすいものであることを願います が、
現時点ではまだはっきりしません。実例が出たら続報にて報告します。