思い切って1期だけクールダウンしてみるのも一つの選択肢です。
多くの事業計画は、過去・現在からの延長線上に計画されています。
"今の事業をどのように守って育てるのか?"
もちろんとても重要なことですが、
そこに縛られすぎると新しい事業や発想は生まれてきません。
今とは違う事業、今とは違うやり方・・・
過去・現在の延長線上にこれらの答えは存在しないからです。
新しい事業や発想とは、例えば、
・新しい事業立地を探す、新しいルールを自社で創造する
・より上位でニッチなマーケットを狙う
・社長自身の新しい社長像・生き方を模索する
・価格や商品構成を抜本的に見直す
などです。
■また、ほとんどの事業計画は、増収・増益をその目標に置いています。
その戦略や戦術が不明瞭であっても、
売上を伸ばし利益を増やす計画になっています。
机上の計算では、売上をプラスして、粗利益率を少しずつ改善し、
販管費の増加を粗利益額の増加よりも少なめにして数字を走らせれば、
計画上の営業利益は簡単に増えます。売上げを毎年3%増やし、
粗利益率を毎年1%改善し、販管費の増加を年率3%増で抑えれば、
5年後には売上高は16%増、営業利益率は5%以上増えます。
机上では簡単ですし、特定の状況下・ステージでは実現できますが、
すべての企業に当てはまるわけではありません。
■事業計画には様々な種類があります。
1.増収・増益を狙う計画
2.減収・増益を狙う計画
3.売上横這い・増益を狙う計画
4.減収・減益を狙う計画
5.細かい数値計画を伴わない計画
などです。4と5について説明します。
4.減収・減益を狙う計画とは?
長いあいだ成長を続けてきて、成長疲れをしている会社は、
状況が許せば、減収・減益になる計画、
場合によっては赤字転落する計画を立案してもよいかも知れません。
成長疲れとは、力以上の売上や客数などを取るために、
力以上の商品構成や業務を抱えてしまっている状況のことです。
クレームやトラブル、離職が極端に多い企業には、
この成長疲れという企業病を患っているケースが多いです。
思い切って1期でもクールダウンしてみるのも一つの選択肢です。
そしてこの期間に徹底的に選別と絞り込みを行ってください。
思いのほか収支は悪化しません。
5.細かい数値計画を伴わない計画とは?
新規事業の計画などはこの部類に入ります。
3年~5年で次の柱を構築したい、そのために先行投資をして事業を創る、こん
なケースです。
・3年~5年後には□□位の売上と利益を作る。
・最大〇千万円までの先行投資(累積赤字)は想定する。
・上記のイメージと予算をもって、一つ一つ考えながら都度判
断して行動する。
予見不可能なことに無理やり細かい数字を与えても、そこから生まれる利はありません。
良い意味で行き当たりばったりに取り組む。賛否両論があるでしょうが、これも一つの選択肢です。
事業計画には様々な種類があります。
事業計画を作るときには、その種類を検討してください。
もちろん増収・増益計画がベストです。
減収の計画を長期間続けるわけにはいきません。
企業の存在価値が減じます。
減益の計画、ましてや赤字の計画を長期間続ければ破綻します。当然です。
しかし、増収・増益を継続できる企業はそう多くありません。
また、増収を狙って減収する場合と、減収を見込んで減収する場合では、
その利益に与えるダメージは大きく違います。前者が甚大で、後者は軽微です。
中小企業には伸ばし疲れの(伸ばそうとして疲れる)企業を少なからず見受けます。
事業計画には様々な種類があります。
企業体としても、時には一休み、リフレッシュも必要ではないでしょうか。