このような相談がありました。
"二期連続赤字だが、今期期中の足元の業績は急回復している。
返済のみが長期間続いていて、資金繰りが厳しくなってきた。
今期決算は相応の黒字を計上できそうですが、決算を待たずに
この段階で新規の借り入れはできないだろうか。
金融機関の担当者に相談したら、決算が締まるまで待つよう言われたが・・"
金融機関の貸出しの判断は、原則論として決算書を基準に行います。
期中の試算表で収益の改善を示しても、決算まで待つよう言われるケースは少なくありません。
ただ期中であっても、その業績の改善が顕著で、その改善状況をはっきりと 説明できれば、
日本政策金融公庫や信用保証協会の保証付き融資を受けられる可能性があります。
■相談者の方のケースでは、
・決算後9カ月が経過している
・その収益改善の方法が明確であった
・その簡易キャッシュフローの額が、総借入額と比して大きかったこと
(債務償還年数は約6年)
・明らかに債務超過でないこと
上記の事実を踏まえて、精度の高い試算表を用意して説明することで、
希望する金額の融資を受けることができました。
試算表を作る側も「とりあえず…」と考え、
費用や売上の計上漏れを容認しているケースも少なくありません。
金融機関に対して経営の進捗状況を報告する資料であれば、上記の緩さは見過ごせません。
試算表を財務目線でより正確に作成し、その分析資料を金融機関目線で作成・解説することで、
その会社の経営品質の高さを金融機関に理解してもらうことができます。
上記のことが、二期連続赤字企業でも期中で新規融資を受けられた要因の一つです。