■このような相談がありました。
"融資依頼をするために決算書を提示した際、
銀行の担当者に 「役員報酬が少ないですね。」と言われた。
あわせて新規融資に難色を示されたが、
役員報酬が少ないと借入れが受けられないのか? "
この場合、決して役員報酬が少ないから、というわけではありませんが、
金融機関が新規融資を検討する際には、まず現状の財務の健全性を確認します。
融資に難色を示されたのは以下の流れからでしょう。
⑴まず簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を確認します。
⑵この簡易キャッシュフローの要素となる税引き後利益を確認するために、
販売管理費も確認します。
⑶この時、役員報酬が過少であれば、本来はもっと役員報酬が必要となるため、
税引き後利益が少なくなるのではないか?と考えたと推測できます。
⑷金融機関が考える役員報酬額に置き換えた時、簡易キャッシュフローが
極小であったため、新規融資に難色を示されたと思われます。
■借入れにおいては役員報酬の多い・少ないではなく、実態の税引き後利益がポイントとなります。
※融資審査時の財務診断は他にもあります。
簡易キャッシュフローの診断はほんの一部です。
◎確認した結果、奥様の所得が給与に計上されており、
社長の役員報酬は過少であっても、世帯所得は常識の範囲内である。
また、役員報酬額の是正(税引き後利益の減額補正)は必要ない旨を、
銀行担当者に説明することで、理解を得ました。
必要な金額の新規融資を調達できました。