このような相談がありました。
"新しい設備投資を検討しているが、その投資規模を決めるために、
自社の借入可能な金額を知りたい。いくらまで借りられるか教えて欲しい。"
金融機関から新しい借入れを行う時には、まずは現状の確認が必要です。
■まずは現状の確認を
1. 直近の決算書から簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を確認します。
この簡易キャッシュフローの金額が、現時点の借入総額の10分の1以上であることが最低条件です。
2. 債務超過でないことが必要です。
※1又は2が突出して優良な時、または、提供できる担保がある場合など、上記の限りではありません。
上記はあくまでも簡易的な診断です。実際には、突っ込んだ財務分析を行います。
1と2を満たす時、現時点においては健全であると判断されて、
新規の借入れを受けられる可能性が高くなります。
■次に、検討中の設備投資を行った時の収益を見積もります。
3.新しい借入れの返済を、新しい設備投資を行った収益で賄える。
4.現存の収益と新しい収益で、既存の借入れと新しい借入れの返済を賄える。
3または4の時、理論的には借入れが可能です。
※新しい設備投資から生まれる収益を、過度に大きく見積もると、
その蓋然性の説明が難しくなります。注意が必要です。
■上記の検証を行いながら、最適な投資額を決めます。
金融機関には、最適な計画書を作成して、新規の融資を依頼します。
◎相談者の方は、決算分析・設備投資計画書(返済計画書)を作成し、
金融機関に対して借入れの申し込みを行い、
必要で最適な新規の投資資金を調達できました。