■拡大発想からの脱皮
例えば、
①従業員数は多い方が良いのか?
力があれば、たくさんの従業員を抱え、その雇用と教育機能を果たすことには
大きな社会的意義があります。100人を雇用する会社よりも、500人の従業員を
抱える会社の方が、この意味では遥かに立派です。
ただし力相応を越えた部分の雇用には、会社側も、雇用される側の従業員も、
様々な問題を抱えることになります。
例えば、
②店舗数は多い方が良いのか?
というのは、10店舗の高収益店舗と、5店舗の採算分岐点ギリギリの店舗
合計15店舗を経営する飲食企業と、10店舗の高収益店舗のみを経営する飲食企業、
どちらが良い会社でしょうか?ということです。
イメージとしては、前者は年商15億円、営業利益1億円、
後者は年商10億円、営業利益1億円になります。
少なくない中小企業経営者が、従業員が多く、規模が大きい方を目指しているように思えます。
この考え方だと、時に規模拡大至上主義を招きます。
■縮小を容認する計画を!
貴社が、上記のような考え方を長期間続けていたなら、一度発想を変えてみることをお薦めします。
規模の縮小を容認する考え方です。今がチャンスです。
例えば、
どんどん人を増やして売上を作りに行くよりも、仕事を選別して
増員を控える選択肢を用意することです。
マネージメントは、その規模が小さいほど容易になります。
例えば、
収益の見込めない分岐点ギリギリの店舗は手放す選択肢を用意することです。
店舗数が減ると、マネージメントは容易になります。
規模の拡大には、力相応の拡大と力不相応の拡大があります。
言いかえると、自然に成長した拡大と、無理やり伸ばした拡大があります。
後者には大きなストレスが伴っているケースが多いです。
そのため縮小を容認することで、会社に余力が生まれます。
すると、以下のような仮説が生まれます。
『日本の企業は規模の拡大にこだわり過ぎています。
何が何でも規模を拡大しようとすると、規模を拡大するために
多くの犠牲を払うことになります。
経営上無意味な不採算事業や不採算顧客を過度に温存することになります。
規模拡大至上主義は、分散症候群や安売り症候群を招く原因のひとつです。
脱・規模拡大至上主義、縮小を容認する経営に移行してください。』
言うまでもなく規模は重要です。
規模の縮小を容認する経営を長期間続けることは困難です。
数年に一度、または、数年間に限定して、敢えて規模の縮小を容認する経営を導入してください。
今まで取り組んでいなかったのであれば、この機会に、敢えて縮小を容認する
事業計画を立案して執行してください。経営が、会社が大きく変わります。
強くなるはずです。
※追伸:できる備えは済ませましたか?様々な資金面の支援策が打ち出されています。
不明な点があればご遠慮なく当事務所までお問い合わせください。