■経費になるかは、3つの質問にYESと言えるか
会社設立の相談の際によく聞かれるのが、経費の範囲です。
基本的に、事業活動に関連する支出は会社の経費にすることができます。
逆に言えば会社の事業活動に関連しない支出は、経費にできないのは当然です。
ところが実際に会社を経営していくと「これは経費になるのかな?」
と悩むケースは少なくありません。
そこで、次の3点が満たされていれば経費の範囲と考えてOKです。
- 事業との関連性があり、それを明確に説明できるか
- 常識的か
- 良心の呵責がないか
1.の事業関連性については、例えば税務調査で税務署の職員に
「これはどんな支出ですか?」と聞かれたときに、
朗々と説明することができるかどうかです。
きちんと説明できないということは事業との関連性はなく
経費にすることは難しいでしょう。
2.の常識的かという点については、顧客を紹介してもらった際など、
ちょっとしたお礼をすることは往々にしてあることだと思います。
ところが、取引10万円程度の顧客を紹介してもらっただけなのに
100万円もする腕時計をプレゼントした、というのは常識的に考えてどうでしょうか。
今後も紹介してもうことを期待して、などという発想もあるかもしれませんが
街を歩く人に聞いてみて「え!そんなのありえない!」
と判断されてしまうようなものは常識的とは言えず、経費にならないと判断されます。
3.の良心の呵責がないかという点ですが、この基準は意外と役に立ちます。
目をつぶり自分の胸に手を当てて、「これは経費だよな」と考えたときに
胸が痛めば経費じゃないでしょうし、胸が痛まなければ経費です。
とはいえこの方法は会社設立当初は有効ですが、設立して時間が経つと
感覚が鈍くなりますから注意が必要です。